2017年12月15日

役に立った大分の水圧の低さ

大分で経験していて海外でも役に立ったことの1つが「水圧」の低さ。

今はどうかはわからないが、私が住んでいた地域は一軒家でも水圧が低く、誰かが風呂に入ろうものなら、その間は台所の水やお湯の出が悪くなり、風呂とご飯の支度が両立しないぐらいだった。
誰かがトイレを流した場合も、他の部屋の水道の出が弱くなったりしていた。

また、一人が風呂に入ると、ボイラーのタンクに水が貯まるまでしばらく時間がかかり、お湯の出が悪くなり、連続して風呂に入ることがちょっと難しかったりした。

とても不便ではあったが、子供の頃のこの経験は、後々、海外で生活するにあたって役に立つことになった。

海外はアジアの発展途上国はもちろんのこと、先進国であっても、例えばアメリカなどでも、ちょっと地方に行くと、水資源が非常に乏しくであったり、水圧が低かったりすることが多い。カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどでもそういうところが結構ある。
庭の芝生への散水機の水を出しっぱなしにすると、罰せられる州さえある。

日本と違って湿度が低いなどの気象条件の影響もあるが、以上のような水事情から、欧米系では お風呂(湯舟)に入るという習慣自体がない家庭も多く、烏の行水のように5分程度、シャワーで体を流すだけ、というような風呂文化のところが少なくない。

そんなわけで、「風呂文化」は日本のようには海外では発達しておらず、例えばシャワーは、日本のような壁から取り外して使えるホース式ではなく、壁に固定されていて、ただ上から浴びるだけのものが多い。だから細部を洗うのに苦労する。
shower-abroad

さらに古い家屋などはもっとひどく、天井にシャワーの噴射口があって、ただ上からドリップ式にポタポタ落ちてくるのを浴びなければならない、というパターンもある。
私がカナダで最初に住んだ家も、天井設置型で、上から雨漏りのように落ちてくるのを浴びるのに、非常に戸惑った思い出がある。もちろんバスタブさえもなかった。

水がらみでいえば、例えば、留学などのホームステイでも、日本人は比較的部屋をきれいに使うので、人種としては受け入れ側のホストに歓迎されることは多いが、ただ日本人がよく注意されるのが、「水を使う量が多い」ということだ。

特に「シャワーは5分以内に済ませてね」とか、「食器を洗う時は流しっぱなしにしないでね」「洗濯は週に1回だけ、なるべくまとめて洗うように」などとホストマザーらに厳重注意される日本人が多い。

海外では一般家庭でもタンクに水を一旦貯めて使う家庭が多いため、日本にいる時のような感覚で水を使うと、一気にその家の水が無くなってしまうからである。

それだけ水資源が乏しい場所が先進国含め世界には多く、「水はいつもジャブジャブ出るとは限らない」「水はチビチビと大切に使わなければならないものである」という大分県で養ったこの感覚は、海外生活でとても役に立つことになった。

「湯水のように●●を使う」という表現は、四季に恵まれ、かつ島国で水資源が豊富な日本にしか存在しない贅沢な言葉であるということを、日本語教師として言葉を教える際に、いつもしみじみと感じている。




タグ :海外大分県

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Posted by jltoita at 17:22 │大分の思い出